日本のコーヒー文化

 日本人が好きな飲みモノの一つがコーヒーですよね。日本のコーヒー消費量は世界第4位とも言われており、駅前や商店街などにはコーヒーショップや喫茶店が数多くあります。日本人の生活になくてはならない物になりました。

 

目 次

 

 コーヒーが日本国内に初めて入ってきたのは、江戸時代の1640年代からだと言われています。長崎の出島においてオランダ人に振舞われたことが最初であると考えれています。当時の日本人の味覚にあわず、受け入れられなかったそうです。その後、黒船来航共に西洋文化が入り、長崎、函館、横浜などの開港地を中心として西洋料理店が開店するようになり、そのメニューの一部としてコーヒーが一般庶民の目に触れるようになりました。とは言っても上級階級の一部が飲むことができる高級な飲み物でした。

 1866年(慶応2年)に輸入関税が決定され、正式にコーヒーが輸入された1877年(明治10年)頃から輸入量が増えていき、コーヒーを商品として取り扱う義版が出来上がりました。1888年(明治11年)に日本で初めてできたカフェは東京の上野にあった「可否茶館」と言われており、開店した4月13日は喫茶の日とされています。

 明治時代から大商時代にかけて、文士や文学青年だちの社交場的なサロンの役割を果たすカフェがいくつか増えてきました。しかし、いずれもまだまだ一般の人には敷居が高い店ばかりでした。そんな中でも「カフェ・パウリスタ」は、ブラジル政府より一手宣伝販売権を受けて、コーヒーの普及とサービスを徹底し、一般の人々でも気軽に立ち寄れる値段と雰囲気の店を開店しました。大正時代には全国に店舗を広げていきました。

 昭和に入り第二次世界大戦でコーヒーは輸入停止になり、人々の生活からコーヒーは一時的になくなりました。そして戦後の昭和25年から輸入がようやく再開しました。戦後の混乱が続く中、日本の復興に合わせて洋食屋や喫茶店などが営業を始めて、一般市民がコーヒーを飲めるようになりました。

 昭和後半のバブルの頃になると、人々は忙しい時間の中、空いた時間を効率よく活用しようと「ドトール・コーヒー」のようなセルフサービスのカフェを利用する人が増えてきました。また、1970年頃に名古屋で漫画喫茶が誕生し全国に広まり、1990年代にはシアトル系カフェが流行しました。こうした歴史があり、日本は世界有数のコーヒー消費国となり、アメリカ、ドイツ、イタリアに次いで世界第4位の消費国になったのです。

 

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日本の独自のコーヒー文化

 近年は日本でもコーヒーの関心が高まり、カフェだけでなくコンビニでもドリップコーヒーが買えるようになりました。各国の生活文化に違いがあるように日本でも海外とは少し違うコーヒー文化があります。日本のコーヒー文化とその特徴についてみていきたいと思います。

 

缶コーヒーの発祥は日本!

 日本では自動販売機やコンビニで缶コーヒーが必ず売られていますが、アメリカやヨーロッパではあまり缶コーヒーは見かけません。缶コーヒーは、日本独自のコーヒー文化の一つになりました。

 1965年に世界初の缶コーヒーは日本で発売されました。島根県コーヒー店を運営していた三浦義武さんが作り出したと言われています。品名は「ミラコーヒー」。三浦義武さんが缶コーヒーを開発してきっかけは、ヨーロッパの人にもお店で淹れた美味しいコーヒーを味わってもらいたいという思いだそうです。今は、製造されていないのですが、世界初のコーヒーが個人商店で開発されていたことは、素晴らしいことですね。

 現在でも製造されている缶コーヒーの最長寿ブランドは、1969年にミルク入りの缶コーヒーを最初に発売したUCC上島珈琲の「UCCコーヒーミルク入り」です。もうお馴染みですね。

 

アイスコーヒー

 アイスコーヒーも日本特有のコーヒー文化です。近年では、スターバックスをはじめとしたシアトル系のコーヒーチェーンが世界に展開し、フラペチーノなどの冷たいコーヒーが日常でも目にすることが増えてきました。一昔前は、海外ではコーヒーはホットの飲み物という認識があったのでアイスコーヒーはほとんど日本だけで飲まれていたようです。

 日本でアイスコーヒーが喫茶店のメニューに登場し始めたのが大正時代。当時は「冷やしコーヒー」と呼ばれていました。瓶にコーヒーを入れて、そのまま瓶ごと氷に入れて冷たくしていたそうです。関西では、アイスコーヒーの事を「冷コー」と呼ばれていることもあるらしいのですが、「冷やしコーヒー」の略なんですね。

 

ドリップコーヒー

 日本では、喫茶店やカフェで淹れるコーヒーはドリップが主流となっていますね。家庭ではドリップコーヒーだけでなく手軽なインスタントコーヒーが飲まれています。これも日本のコーヒー文化です。

 ヨーロッパでは、ドリップ式のコーヒーよりエスプレッソを良く飲まれています。多くの家庭でエスプレッソマシン置いてあったりします。

 日本でも近年はエスプレッソを飲む日本の方が増えています。それもブラックで飲む方がいます。海外の方からはエスプレッソを飲むことに驚いているようで、ヨーロッパではエスプレッソに砂糖を入れて飲むのが主流になっています。飲み終わった後に溶け残った砂糖を食べる人もいるようです。

 ちなみに日本のドリップコーヒーは、外国の方から人気があります。海外からの観光客は喫茶店入りハンドドリップやサイフォンなどのコーヒー器具の写真を撮ったりしているそうです。

 

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まとめ

 エスプレッソコーヒーが主流の文化だったり、ドリップコーヒーが主流の文化だったりといろいろな国で様々なコーヒー文化があります。日本でも時代とともに特有のコーヒー文化が発展してきました。今では、家庭やコンビニでも本格コーヒーが飲める時代になってきました。さらに缶コーヒーの普及。日本の憩いの場にコーヒーは欠かせない飲み物になっていいるように感じます。

簡単!水出しコーヒー

 暑い日に冷たい飲み物がどしても欲しくなりますね。こんな時は、麦茶なんて良いですよね。麦茶以外にもさらさらと飲めるアイスコーヒーもいいですよね。

 深煎りのコーヒー豆を挽いてお湯で抽出し、氷の入ったグラスに注いで急冷したアイスコーヒーが定番ですが、今回はお湯で抽出するのではなく、常温の水で抽出する水出しコーヒーを紹介します。

 

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目 次

 

水出しコーヒーって?

 水出しコーヒーは「ダッチ・コーヒー」や「コールド・ブリュー」とも言われています。お湯で抽出をして氷で急冷するアイスコーヒーとは違い、その名の通り常温の水でゆっくりと何時間もかけて抽出するのが水出しコーヒーです。お湯で抽出すると苦みやエグ味などの雑味が出やすくなるのですが、常温の水だと出にくくなります。その結果として口当たりの良いスッキリとしたマイルドな仕上がりになるのです。お湯で抽出したアイスコーヒーが苦手な人は、水出しコーヒーなら飲めるかもしれません。

 

水出しコーヒーの起源

 水出しコーヒーは、「ダッチ・コーヒー」とも呼ばれているので、オランダが発祥かもと思われるかもしれませんが、意外ものインドネシアから始まったと言われています。インドネシアがオランダの植民地時代にコーヒーの栽培が始まりました。当時はアラビカ種と比べて品質や味が劣るロブスタ種を主に栽培をしていました。このロブスタ種でも美味しく飲めるようにとオランダ人が思案してできたのが水で長い時間をかけて抽出する方法でした。オランダ人が試行錯誤して作ったので「ダッチ・コーヒー」と名付けられました。

 

水出しコーヒーの作り方

 水出しコーヒーの作り方はいたってシンプルです。容器にコーヒー粉と水を入れて放置するだけ。たったこれだけです。

 

必要な物

 深煎り豆(フルシティローストかフレンチロースト)50g

 水 500ml

 お茶のパック

 広口のポット

 

作り方

 ➀お茶のパックにコーヒー粉を入れる。

 ②ポットにお茶パックと水を入れる。

 ③8時間放置。

 ④8時間後、お茶パックをそのまま取り出す。

 

 本当にこれだけです。技術も経験もいりません。誰でも簡単に作れます。もし、ご自宅に広口のポットがなければ、コーヒーサーバーを代用しても構いません。

 

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ちょっとしたひと工夫

 上記では、基本的な水出しコーヒーの作り方を紹介しました。そこで簡単にひと工夫することで、水出しコーヒーの楽しみ方が増えると思います。

まず、濃いめの水出しコーヒーを(原液)を作ります。

     コーヒー粉 70g

     水 500ml

 

・アイスコーヒーとして飲むときは水で割る。

   水出しコーヒー4 : 水1

・牛乳と1:1の割合で、カフェラテ風で飲む。

・ゼラチンを入れてコーヒーゼリーを作り、メイプルシロップかポーションミルクで召し上がる。

 

この他にもコーヒーケーキに使ったり、コーヒーリキュールの代わりに使ったりとコーヒーの原液を作り置きしておくといろいろな用途に使えると思います。

 

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コロンビア産コーヒー

 喫茶店やカフェなどでよくみられるコロンビアのコーヒーは、世界有数のコーヒー生産国です。ブラジル、ベトナムに次ぐ世界第3位の生産量を誇っています。日本では、「スプレモ」や「エメラルドマウンテン」が有名ですね。そして「世界一リッチなコーヒー」として認知活動をして品質管理の徹底等をしていこうと「コロンビアコーヒー生産者連合会」を立ち上げたりしています。

 

目 次

 

コロンビアのお国柄

 国名 コロンビア共和国

 首都 ボゴタ

 人口 約4870万人

 面積 約1139000㎢

 

 南米大陸の北端に位置し、北はカリブ海、西は太平洋に面しています。東はベネズエラ、ブラジル、南はペルー、エクアドル、西はパナマと接しています。3つのアンデス山系が南北に走り起伏が激しく、東部のアマゾン川上流は平原が広がっています。沿岸部や平野部は熱帯性気候、内陸部の山岳地は亜熱帯気候です。

 コロンビアはコーヒーの生産量が世界第3位で会うが、切り花の出荷量が世界第2位の国でもあります。

 コロンビアの人々は男女ともにポジティブな人が多いです。嫌なことや細かいことは気にしないので約束の時間に遅くなったりもします。また、家族の事をとても気にしていて家族思いでもあります。

 

コロンビアのコーヒー農園

 コロンビアは世界有数のコーヒー生産大国として知られています。日本の3倍ほどの土地面積が南北に広がっており、各地で雨季・乾期が異なるために1年間を通してコーヒー豆を収穫することができます。

 コーヒー豆は100%アラビカ種で生産地の環境も多種多様です。アラビカ種の中でもカツーラ種、バリエダ・コロンビア種など幾つかの品種が栽培されています。

 コロンビアのコーヒーの始まりは、今から約300年前に遡ります。1730年頃にキリスト教修道院によってコーヒーの木が植えられたとされています。その後、キリスト教の間で広がり、1835年頃に輸出が始まりました。今では、24000以上のコーヒー農園があり、人口の全体の1/4がコーヒー関連の仕事に就いています。

 

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コロンビアコーヒー生産者連合(FNC)

 1972年に生産者主体の非営利団体コロンビアコーヒー生産者連合(FNC)」が設立されました。コーヒーの生産者とともに高品質なコーヒーの安定生産と生産者のより良い生活を実現し、コロンビアコーヒーが「世界一リッチなコーヒー」として認知向上されるような活動をしています。

 主な活動としては、生産したコーヒーの全量を買い取ることやコーヒー栽培の技術開発や研修をし、それらを生産者に伝えることや子供たちの教育、地域社会に必要なインフラの整備などの活動を行っています。「エメラルドマウンテン」は、このFNCの最高品質と評価された大変数少ないかちのあるコロンビア産のコーヒー豆です。

 

主な生産地

 コロンビアは、南米大陸北西部に位置しています。その国土にはアンデス山脈が南北に走り、水質資源豊富な高地が広がっています。コロンビアでは、主に3つの地域で栽培されています。

➀北部地方

 「マグダレナ」、「カサナレ」、「サンタンデール」などが北部地方でのコーヒー栽培の地域となります。ここでは低い標高で高い気温の土地で栽培をしています。コーヒーの木に長く日が当たってします為、高低差を利用してシェードツリーを植えて日陰を作り直射日光から守ります。

中部地方

 「カルダス」、「キンディオ」、「リサラル」、「ルノテ・デ・ヴァジェ」など。

 この中部地方は、一年間を通じて収穫が行われう地域です。年間で2回のコーヒーの収穫が行われており、1回目は9月から12月、2回目は4月から6月にかけてコーヒーの収穫が行われています。

③南部地方

 「ナリーニョ」「カウカ」、「ウイラ」、「スール・デ・トリマ」など。

 この南部地方は赤道に近い地域であります。標高が高い位置で、気温が低い環境の土地で主にコーヒー栽培をしています。

 

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世界遺産「コロンビア・コーヒーの文化的景観」

 コーヒー三角地帯と呼ばれるカルダス、リサラルダ、キンディオに隣接するバジェ・デル・カウカを加えた4県にまたがる約14万1000ヘクタールの生産地を丸ごとユネスコが「コロンビア・コーヒー文化的景観」」として2011年に世界遺産に指定しました。

 この地域には約2万4000軒のコーヒー農園があります。コーヒーの栽培には熱帯地域の標高1400mから1800mまでが最適とされています。急勾配な山肌に多くの農園があり、コーヒーを栽培するのに非常に大変な作業となる場所です。ユネスコがこの地に認めた文化的景観とは、厳しい自然環境の中で上質なコーヒー豆を作ってきた幾世代にもわたる生産者たちの努力が評価され、ユネスコはこの地域を世界遺産に指名しました。

 

コロンビアコーヒーの等級

 コロンビアのコーヒー豆の等級や格付けは大きさで決まっており、これらは「コロンビアコーヒー生産者連合会」の関連会社が行っています。

 コーヒー豆のスクリーンが17以上だと「スプレモ」。コーヒー豆のスクリーンが17以下で14以上であれば「エキセルソ」となります。スクリーンが13以下のコーヒー豆は輸出されずに主に国内で消費されています。

 「コロンビアコーヒー生産者連合会」では、さらに産地や国際認証の有無などにより付加価値のあるコーヒーを認定しています。

 

コロンビアのカフェ

 コロンビアでも日本でいうドトールのようなカフェがたくさんあり、街中でコーヒーを持ち歩いている人を見かけます。その中でも「コロンビアコーヒー生産者連合会」によって作られたカフェ「ファン・バルデス・カフェ」はコロンビア最大のコーヒーチェーン店です。国内にとどまらず、アメリカをはじめスペインやメキシコ、チリ、ボリビア等にも展開をしていて、アジアでは韓国やマレーシアにもあり、全部で310店舗展開をしています。コロンビア人なら誰でも知っている有名なコーヒーチェーンです。

 

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まとめ

 今回は、コロンビア産のコーヒーを紹介しました。コロンビアでは、品質の良い高価なコーヒーのほとんどが国外に輸出をしていますが、「ファン・バルデス・カフェ」を中心にコロンビアのカフェがチェーン展開をしていたりと品質の良いコーヒー豆は国内の外食産業へ流れているようです。そのうち日本にもコロンビアのカフェチェーン店が進出してくるのかもしれませんね。楽しみです。

インドネシアのコーヒー

インドネシアは世界第4位(2018年)のコーヒー生産量を誇っています。第4位と言われてもあまりピンとこないかもしれません。マンデリンと聞けば馴染みのあるコーヒーだと思います。マンデリンは、インドネシア産のコーヒーなんですね。他にカロシトラジャやコピルクアなどがあります。インドネシア産のコーヒーのほとんどがロブスタ種を栽培しているので、インスタントコーヒーや缶コーヒーに良く使われています。
 

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インドネシアってどんな国?

面積  約1919440㎢
首都  ジャカルタ首都特別州
人口  約2億6600万人
 
 インドネシアは、東南アジア南部に位置し、東西に長く14000を超える非常に多くの島々からできている国です。神々の住む島として有名なジャワ島もインドネシアです。赤道直下にある熱帯性気候ですので、とても暑い南国であります。
 人口もとても多く中国、インド、アメリカに次いで世界第4位なんですね。コーヒーの生産量でも世界第4位!
 赤道を跨いでいるインドネシアは、高山地帯など一部を除いて、年中熱帯気候です。国民はみんな陽気でのんびりしていて、常にリラックスしている感じです。楽観的な民族でもあります。そして「世界一怒らない国」ともいわれるインドネシア。理不尽なことがあっても人前では、めったに声を荒らげたりしないとても寛容な人達ばかりなのです。因みに、第1位がインドネシア、第2位がフィンランド、第3位が日本だそうです。
 大地震被災国として日本とインドネシアは連携と協力を行っています。2004年のスマトラ沖地震で甚大な被害を被ったインドネシアに対して、日本は物資の供与や無償資金協力、医療チーム派遣、自衛隊派遣など幅広く
支援活動をしてきました。被災地のアチェ州の人々は、そうした日本の支援に対して深い感謝の抱いていました。東日本大地震の発生に際して、インドネシアでは、政府だけではなく、インドネシア国民から日本に対するお見舞いが寄せられました。東日本大地震直後にアチェで追悼行事「アチェから日本のために」が開催され,日本復興への祈りが捧げられました。他に日本に滞在するインドネシア留学生やスマトラ沖地震被災者らが宮城県石巻市を訪問し,避難所の清掃や料理の提供など支援活動を行いました。来日したユドヨノ大統領は、遠洋漁業を通してインドネシアと縁の深い同県気仙沼市を訪れ,アチェの子どもたちから日本の子どもたちへの励ましのメッセージを伝え,民族楽器等を手渡しました。また、EPAに基づき来日しているインドネシア人の看護師及び介護福祉士(候補者を含む。)たちが災害ボランティアチームとして被災地で活動するなど,インドネシアの人々は真心を持って日本の復興を応援しています。同じ地震津波被災国としても強く連帯する日本とインドネシアは政治、経済だけでなく協力関係を築いています。
 

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インドネシアのコーヒー栽培

 インドネシアでは、オランダの植民地時代にコーヒーが持ち込まれ、1830年代にジャワ島で栽培が始まったとされています。
 現在では、ロブスタ種が約90%栽培されています。これは、アラビカ種を生産していたが1860年代にアジア地域に広がったサビ病の被害により、生産が大幅に減少しました。そこで病害に強いロブスタ種を導入したことによってコーヒーの生産量を回復させ、さらに拡大もしていきました。今でも生産されているアラビカ種に「マンデリン」や「トラジャ」などが栽培をしています。
 
火山によってもたらされた豊かで、一年中一定の湿度を保てる土壌はコーヒーの栽培に適しています。そして、標高1000m以上の高地では昼と夜の寒暖の差が大きく品質の良いコーヒーが育つため、栽培も盛んです。スマトラ島が国内のコーヒー生産量の75%ほどを占めています。
 
 インドネシアでは精製加工をする際にスマトラ式の加工法を用いています。スマトラ式とは、インドネシアでは雨が多いため乾燥に時間がかからないようにしたり、また水が貴重な資源であるというインドネシアだからこそ生まれた加工法で、工程はパルプドナチュラルに近いものがあります。果肉除去の後、ミューシレージ(.粘質)が残った状態で一時的に乾燥をして、十分に乾ききる前に脱穀します。次に最後の乾燥を行う方法です。生豆は独特な深緑色に仕上がります。
 

インドネシア産のコーヒーの種類

①マンデリン
 スマトラ島で栽培されている、酸味が少なく苦みとコクがあるのが特徴です。
 マンデリンの産地には、世界で最も深い湖である「トバ湖」がありますが、この周辺で栽培されたコーヒーはさらに特別で「マンデリン・トバコ」と呼ばれています。
 マンデリンコーヒーはその苦みが特徴的であり、カフェオレにもよく合います。苦いのが少し苦手な人は、マンデリンで作ったカフェオレして飲むのも良いかもしれません。
 マンデリンのグレードの決め方は、300gの中に欠点豆の数によって5段階に分けられます。欠点豆の数が3個以下であれば「G1」となり、日本では多くみられるグレードです。
 
②トラジャコーヒー
 スラウェシ島の標高1200mの山岳地帯て栽培をしているコーヒーです。昼夜の温度差が15度以上あり、年間降水量が3000㎜で平均気温が20〜23度なのて、コーヒーを栽培する最適な環境です。
 植民地時代にはオランダ王室御用達としてオランダの貴族にも親しまれていました。
 第二次世界大戦後、荒れ果てた農地でトラジャの栽培ができないと思われていましたが、日本のキーコーヒー(株)の援助で見事に復活しました。
 酸味や苦味、甘味がバランスよくあり、マンデリン同様にコクもしっかりあるのでの見応えがあります。
 
「世界一高級」と言われている「コピ・ルアク」その独特な採取法が有名なコーヒーです。
 コピ・ルクアはまず熟したコーヒーチェリーを ジャコウネコが餌として食べているのですが、実の部分は消化されるのですが 豆は消化されずに排泄されます。 それを集めてきれいに洗浄したものがコピ・ルアクと呼ばれます。
 ジャコウネコは良質なコーヒーの実だけを判別して食べ、食べた実を腸内で発酵させるので、美味しいコーヒーができあがるというわけです。
 日本では100gで8,000円くらいで、喫茶店などではだいたい1杯3000円前後です。
インドネシアでは2,000円~3,000円程度、もしくはそれ以下でも買うことができます。
 

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インドネシアのカフェ

ジャカルタをはじめとする都市ではカフェブームが起きています。オシャレな店舗で美味しいコーヒーを飲めるカフェが増えてきているので、国内でのコーヒー豆の消費も増えています。
 インドネシアでは、コーヒーの粉を直接カップに入れてお湯を注ぎ、しっかりとかき混ぜます。かき混ぜてすぐに飲んでしまうと粉も一緒に飲んでしまうので、かき混ぜて後、少し時間を置いて上澄みだけを飲みます。コーヒーを味をストレートに楽しむ事ができます。
 

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超簡単!フレンチプレスでコーヒーの淹れ方

 自宅で簡単にコーヒーを淹れることができるフレンチプレスをご紹介します。

 フレンチプレスは、紅茶を淹れる器具として1度は目にしている方もいるかもしれません。もともとは、フランスがコーヒーを淹れる器具として開発をした物です。容器にコーヒーの粉を入れ、お湯を注ぎ金属フィルターを押し込むという方法で、紅茶の作り方とほぼ一緒です。いたってシンプルな抽出方法です。金属フィルターを濾して抽出するので、コーヒー豆のそのままの味を楽しめると思います。

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用意するもの

フレンチプレス・コーヒーミル・メジャースプーン

 

 

分 量

1杯分 10g 120cc

2杯分 20g 240cc

3杯分 25g 360cc

 

 

抽出方法

①フレンチプレスに中挽きにしたコーヒー粉を入れます。

 

②沸騰したお湯を抽出したい分量の半分を円を描くように注ぎます。

 

③20秒間、蒸らします。

 

④20秒経ったら残りのお湯を注ぎ、ブランジャー(丸いつまみ)を上にあげたまま蓋をして4分待ちます。

 

⑤4分経ったら、プランジャー(丸いつまみ)をゆっくりと下まで下げたら終了です。後はカップに注ぐだけ。

 

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フレンチプレスの洗浄

 淹れ終わったフレンチプレスのフィルターには、コーヒーの粉とコーヒーの油分が付着しています。適当に洗ってしまうと粉と油分が残ってしまい、次に淹れるときに味や香りに影響が出てしまいます。なので、洗剤等を使いしっかりと洗うようにしてください。

 

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美味しく淹れるポイント

・最初にお湯を注ぐ際に円を描くように注ぐとお湯がコーヒー粉全体に行き渡りやすくなり、しっかりとした味が出やすくなります。

・しっかり蒸らすことで深みのある味になります。

カップにコーヒーを全部注いでしまうと細かい粉がカップに入ってしまい、粉っぽいコーヒーになってしまうので、フレンチプレスに少し残すようにしましょう。

・コーヒー本来の味がそのまま生かされるので、スペシャリティコーヒーのような高品質の豆が最も適しています。

 

 

最後に

 フレンチプレスで淹れるコーヒーを紹介してきました。フレンチプレスの特徴は、簡単に淹れることができてコーヒー豆の味がダイレクトに楽しめる事だと思います。ブレンドよりもストレートの豆の方が、いろいろな産地のコーヒーが楽しめるのではないかと思います。

 見た目がお洒落なフレンチプレスが多いので、テーブルにフレンチプレスとカップが置いてあるとちょっとした贅沢な気分になるかもしれませんね。

 

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楽しいハンドドリップ

 自宅で美味しいコーヒーを淹れたいですよね。今回、紹介するハンドドリップの中でも手軽なペーパードリップを紹介します。コーヒーにもう一つのこだわりを持ってみるのも良いと思います。コツさえ押さえてしまえば誰でもこだわりのある美味しいコーヒーが作れます。

 

目次

 

用意するもの

ドリッパー、サーバー、ペーパーフィルター、コーヒーミル、メジャースプーン、ケトル

 

分 量

1杯分  120cc  メジャースプーン1杯  10g

2杯分  240cc  メジャースプーン2杯  20g

3杯分  360cc  メジャースプーン2杯半 25g

 

抽出方法

➀ペーパーフィルターの側面のシール部分を折ります。次にそこのシール部分を先ほどとの側面とは逆の方向におります。

 

②ドリッパーとサーバーにお湯をかけて温めます。カップにもお湯を注ぎ温めておきます。

 

③中挽きにしたコーヒーの粉をドリッパーに入れます。均等にお湯がいきわたる様にする為にドリッパーを軽く振ってコーヒーの粉を平らにします。

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 ④1湯目。できるだけお湯を細くして、粉全体にお湯を染み込ませるようにゆっくり注ぎます。粉全体に湿らすことができたら注ぐのを止めます。

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⑤蒸らし。1湯目をうまく注ぐことができたら、粉がムクムクと膨らんでハンバーグみたいな状態になります。この状態で約20秒間置きます。

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⑥2湯目。今度は中心から渦巻きを描くように外側へ注ぎます。そしてまた中心に戻ります。中心に戻ったら、注ぐのを止めます。この時もフィルターにお湯がかからないようにして下さい。

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⑦3湯目。ドリッパー残っているお湯が半分ぐらいになったらお湯を注ぎます。2湯目と同じように中心から注いでいき、小さい円を描くようにします。また中心に戻り注ぐのを止めます。

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⑧ドリッパーのお湯が少なくなったら、中心にだけ注ぎ量を調整して終了です。

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美味しく淹れるコツ

・コーヒーケトルは、注ぎ口の細いものを選ぶとお勧めします。注ぎ口が細い方がお湯の太さをコントロールしやすくなりムラのない味が作れます。

 

・お湯を注いでいるときは、フィルターにかからないようにしましょう。フィルターにお湯がかかってしまうとフィルターを通してコーヒーが抽出されてしまい雑味の原因にもなります。

 

・コーヒーは旨味成分が先に抽出されサーバーに落ちてきます。渋味や苦味などの雑味は後から落ちてくるので、ドリッパーのお湯を落としきる前に注ぎ、定量になったらドリッパーをはずずとコーヒーの旨味成分だけが、サーバーに残ります。因みに最初の数滴のコーヒーが一番おいしいです。

 

 

まとめ

 ペーパーフィルターを紹介してきました。ペーパーフィルターは、安価で手軽にドリップができる器具だと思います。ちょっとしたコツでいつもより美味しくコーヒーを淹れることができたらこんな幸せはないと思います。

 注意点を気にしながら何回か淹れていくとコツをすぐにつかめると思うし、回数を増やせば増やすほど美味しいコーヒーが作れますので、ぜひチャレンジしてみて下さい。 

ベトナムコーヒー

 意外かと思いますが、ベトナムはブラジルに次ぐ世界で第2位のコーヒー生産量を誇っています。近年でも安定した生産量を維持しています。そんなベトナムのコーヒーを紹介していきます。

 

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1 ベトナムの国柄

 

 ベトナム社会主義共和国。東南アジアのインドシナ半島東部に位置する社会主義共和制国家。首都はハノイ。国土面積は約33平方キロメートル。人口約9621万人。

 かつては中国の朝貢国であり、北部地域では10世紀頃に中国から独立した王朝が建てられました。1802年には初めて現在とはほぼ同じ領土を統一した阮朝(グエンチョウ)が成立しました。

 その後、西洋列強の進出により1887年から1954年まで日本占領期を除きフランス領インドシナとして植民地支配を受けていた。1975年まで続いたベトナム戦争では国土全体が戦場となるなど、敵視に翻弄され続けてきた国でもあります。

 農業が盛んなベトナムだが、コーヒーは主要物の1つでもあります。2018年、農林水産物の輸出額は国全体輸出額の約16%を占め、農林水産物の輸出額が世界で15位の規模だった。コーヒー輸出はベトナムの農林水産物輸出額の10%を占めており、コーヒーはベトナムの主要な農林水産物の1つと考えられています。

 ベトナム人は、とても勤勉で家族のために一生懸命働くという思いがあるみたいです。プライドがありながら家族や友人を大切にする優しさがあります。

 

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2 ベトナムコーヒーの歴史

 

 ヨーロッパの宣教師がベトナムで布教活動を行った際に持ち込まれ、フランスがベトナムを植民地支配の時代に栽培が始まったと言われています。当初は小規模な栽培でしたが、フランスがベトナムの占領をした1857年以降に大規模な栽培が行われた。

 1864年にサイゴン(現在のホーチミン)に植物園を作り、試験的にコーヒーのアラビカ種を栽培し、その後中央部、北部と広げていった。ランビエン高原では、アラビカ種、バンメトートではロブスタ種を栽培する。ベトナムは、こうして2001年にコーヒー生産量が世界で2位となった。

 

3 ベトナムのコーヒー農園

  ベトナムでは、約14万ものコーヒー農園があります。総面積は約37万ヘクタールです。フランスの植民地の時代に大規模農園が作られた後に分割されて作られた個人の小規模農園が今では9割を占めています。これらの小規模農園は、協同組合や国営の農園になっています。

 農園の多くは洪水被害を最小限にするために貯水タンクを持っていたり、灌漑システムを利用しています。

 

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4 ベトナムコーヒーの栽培

 

ベトナムでは、アラビカ種よりロブスタ種を多く栽培しています。生産量の約98%をロブスタ種が占めており、世界全体のロブスタ種生産量の4割はベトナムで栽培されています。ロブスタ種だけを見れば生産量は世界で1位ですね。近年はアラビカ種の生産も増えています。

 ロブスタ種のコーヒー豆はアラビカ種のように高い標高や降水量、日照量など激しい条件はあまり必要はなく、栽培が容易で生産量も多いのが特徴です。

 ロブスタ種の開花時期は、12月から2月で、収穫時期は10月から1月に行われます。アラビカ種の開花時期は10月から12月で、収穫時期は8月から11月。ロブスタ種とアラビカ種、どちらも手摘みで収穫されます。

 ロブスタ種はアンウォシュド(非水洗式)で精製され、アラビカ種はウォシュド(水洗式)で精製されます。乾燥はほとんど地面での天日により行わており、脱穀や精選及び選別は農園や業者の倉庫棟で、その多くは電子選別機によって行われます。

 

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5 ベトナムコーヒーの特徴

 

 細かく穴の開いた金属製のフィルターをカップに直接おいて淹れるベトナムならではの淹れ方があります。

 フィルター構造上、コーヒーのこなが穴を塞ぐような形になり、お湯が通りにくくなっているので、ポトポトと抽出されたコーヒーが落ちてくるこの淹れ方を中国語では、滴滴珈琲(ディーディーカーフェイ)と呼ぶそうです。

 コーヒーの香りや苦味、酸味、コクの味を楽しめるのがアラビカ種ですが、ロブスタ種は焦げ臭くとても苦くストレートではとても飲めるものではありませんでした。そこで飲みやすくるために試行錯誤した結果「カフェ・スア・ダー」というコーヒーが生まれました。これはカップのあらかじめコンデンスミルクをたっぷりと入れ、その上からコーヒーを抽出して飲むときにスプーンでかき混ぜてから飲むコーヒーです。濃厚で甘く、コーヒー飴のような風味がします。

 このコーヒーが地元民にも定着し、最もポピュラーなベトナムコーヒーになりました。首都ハノイでは、コンデンスミルクの代わりにヨーグルトを入れることもあるそうです。

 

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6 まとめ 

 

 ベトナムはコーヒー生産量が世界2位ですが、店頭であまり見かけませんよね。これは日本に入ってくるロブスタ種は、主にインスタントコーヒーや缶コーヒーに使われています。店頭では見ることが少ないのですが、何気なくベトナム産のコーヒーを口にしているのかもしれませんね。

 いろんなコーヒーの楽しみ方があるので、店頭でベトナムコーヒーを見かけたら飲んでみてください。甘いもの好きにはきっと気に入ると思います。

 

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ブラジル・コーヒー

 コーヒーは世界60か国以上で作られています。それぞれの地域の地理や天候に合わせた栽培方法の違いやそれぞれの品種あります。コーヒーの味も生産地によって違いがあります。同じ国でも農園が違えばコーヒーの味が変わることが良くあります。

 

目 次

 

1.コーヒーベルト?

 コーヒー生産地は、赤道を中心として北緯25度から南緯25度のあいだで生産されている地域を指します。この赤道付近の地域のアフリカ、東南アジア、中南米がコーヒー栽培に向いているといわれています。

 標高が高い地域で栽培されることが多く、主に標高300mから1500mでコーヒーは栽培されています。

 

2.ブラジルコーヒーの生産地の特徴

 コーヒーと言えばブラジルと言えばサッカーを思い浮かぶ人も多いと思います。ブラジルは世界最大のコーヒー産地です。生産量も輸出量も世界で1位です。

 ブラジル連邦共和国は人口約1億9400万人。国土面積は8510000㎢で日本の約23倍です。南米大陸の東部に位置しており高現地帯は国土の約60%以上を占めています。

 コーヒー豆は広大な台地で栽培されており、生産量は年間約355万トンともいわれています。ちなみにコーヒー生産量の第2位はベトナムで、161万トンです。約2倍もの差がありますね。

 

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3.ブラジルコーヒーの栽培の歴史

 ブラジルコーヒー文化は、1727年にエチオピア原産のコーヒーがヨーロッパ経由でブラジルに入ってきました。もともとブラジルにはというよりアメリカ大陸にコーヒーはなかったんですね。

 1727年にパラー州でコーヒー栽培が始まりました。後にリオデジャネイロへ移植され、爆発的に生産量が伸び100年後の1850年には世界最大のコーヒー生産国にまでなりました。

 コーヒー産業からの歳入は1930年代の世界恐慌の影響で1ポンド当たりの価格が22.5セント(1929年)から8セント(1931年)の急降下するまでブラジルの経済をけん引し続けていました。税収によりブラジルの貿易収支は黒字を保ち、道路、港湾、通信システムの建設に充てられました。

 1920年代には、世界のコーヒー市場はほとんどブラジル産による自然独占の状態になっていました。しかし、1950年代になると世界的にコーヒーの生産が盛んになりブラジル産のコーヒーの占める割合は徐々に減少していきました。

 現在では、ブラジルスペシャリティコーヒー協会(BSCA)が設立され、品質管の点に力を入れるようになました。カップ・オブ・エクセレンス(COE)で毎年スペシャリティコーヒーの評価をしています。

 

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4.ブラジルコーヒーの栽培状況

 ブラジルのコーヒー農園の面積は約27000㎢あり、約60億本ものコーヒーの木が栽培されています。平坦な地形にある農園から、山岳地帯にあり手作業で収穫する小さな農園まで、大小の様々なコーヒー農園が20万以上あります。平坦な農園では機械化が進んでいますが、山岳地帯など機械化ができない農園では、ストリッピングと言われる枝から実を葉ごと落とす方法が用いられています。コーヒー農園で働く人達だけで約350万人おり、コーヒー生産の関連業種に携わる人も含めると700万人もの人達が働いています。

 ブラジルコーヒーの精製方法は、基本的にナチュラルと呼ばれる乾燥式を採用しています。コーヒー栽培では、大量の水を使うことができないのでほとんどの農園がナチュラルの精製をしているそうです。そんな中、品質の高いコーヒーを作る為にパルプドナチュラルと呼ばれる精製方法も増えてきました。パルプドナチュラルとは、ブラジルで開発され、収穫した実から果実を除去し粘液質(ミューシレージ)を残したまま乾燥させる方法です。ナチュラルの風味特性を残しつつ比較的に品質の均一性があります。

 

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5.ブラジルコーヒー豆の特徴

 ブラジル国内の多くのコーヒー豆が集まるサントス港から輸出されたものが「ブラジル・サントス」と呼ばれています。コーヒー屋さんのメニューにも「ブラジル・サントス№2」を良く目にすると思います。

 味の特徴としては、苦味、酸味、コクがとてもバランスが良いです。クセがないのでコーヒー初心者にお勧めができます。他の産地のコーヒーの味を邪魔をしたりすることなく、どの豆とも相性が良いのでブレンドのベースとして使われることもあります。

 

6.ブラジルコーヒーのグレード(等級)

 コーヒーにも米と同様に格付けがあります。各国でグレードのつけ方が異なっているのが特徴です。

 ブラジル産のコーヒー豆のグレードの主な基準は下記のようになっています。

  ・欠点豆数

  ・豆の大きさ(スクリーンサイズ)

 欠点豆の数は、生豆300gのサンプルから欠点豆がどのくらいあるかで、№2~№8に等級分けがされます。黒豆なら1個で1点、未成熟豆なら5個で1点というような形がとられています。

 豆の大きさは、スクリーン選別機を使い豆の大小を分け、SC20~SC13に分けられます。

 あれ?№1はよほどグレードの良い豆なのかな?と思う人がいるかもしれませんが、ブラジルでは「№1」は欠点豆が一切なく完璧な豆と考えられています。欠点豆が全くない完璧な豆を作り続けることができないということで「№1」は存在しないそうです。店頭等でよく見かける「ブラジル・サントス№2」は最高級の豆になるんですね。

 

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7.ブラジル人のコーヒーのライフスタイル

 ブラジルは世界1位のコーヒー生産量を誇っています。世界全体の約30%を占めています。コーヒーの消費量も世界で2位となっています。ブラジル国内では日本のようなインスタントコーヒーや喫茶店はあるのでしょうか?

 ブラジルでのコーヒーは主にエスプレッソコーヒーで家庭でもインスタントコーヒーを飲む習慣がないようです。ブラジルの家庭ではコーヒーポットにコーヒーを入れて家族みんなで飲みます。家庭以外でも会社や病院、商店等でコーヒーポットが置いてあり食後や休憩中に無料で飲めたりもします。しかも大量の砂糖が入っているようです。

 喫茶店はどうなのかというと喫茶店というよりバールが多いようです。バールや飲食店等でコーヒーを注文すると「砂糖ですか?ダイエット・シュガーですか?」と良く聞かれるそうです。最初からブラックで飲むということは考えられていないようです。

ブラジルのコーヒーは主にエスプレッソコーヒーなので基本、アイスコーヒーがないものとなっていましたが、近年ブラジルにもコーヒーチェーン店が進出をしてきたためアイスコーヒーも徐々に認知されてきているようです。

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ハンドピック

 ハンドピック。なかなか聞きなれない言葉ですが、美味しいコーヒーを作るうえで欠かせない作業です。手作業なのですが、慣れてしまうとそんなに大変な作業という思いはなくなります。では、ハンドピックを紹介をしていきます。

 

目 次

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ハンドピックは必要なの?

 ハンドピックとは、欠点豆を取り除く作業のことを言います。

 欠点豆とは、カビ豆、未熟豆、欠け豆、発酵豆、黒豆、虫食い豆、コッコ、パーチメント、死豆等があります。これらの欠点豆はコーヒーの味や香りにとても悪影響を及ぼします。この他に木くず、小石、トウモロコシがあり稀ですが、その国のコインが混ざっている事もあります。これらを焙煎してしまうと見つけにくくなり、そのままミルで粉にしようとするとミルを壊してしまう下人にもなるので、必ず取り除くようにしましょう。

 

1つ1つの欠点豆の特徴

① カビ豆

  乾燥が不十分だったり、精製後の保管中に雨や湿気でカビが発生してしまう事もあります。カビ豆があるとやはりカビ臭く感じます。

② 未熟豆(ヴェルジ)

 コーヒーチェリーが成熟しないうちに収穫されてしまった豆です。未熟豆があると渋みと青臭い匂いがします。

③ 欠け豆

 精製時に脱穀をするとき機械を使います。その際に割れたり、欠けたりした豆の事です。焙煎のムラの原因になります。

④ 発酵豆

 収穫してすぐに精製作業に取り掛からなかったり、精製後の保管中に発酵してしまう事があります。取り除かないと独特な発酵臭がしたり、嫌な酸味の原因になります。

⑤ 黒豆

 コーヒー豆が地面に落ちて土に長く触れることで黒くなったり、完全に発酵してしまって傷んだ豆の事です。コーヒーが濁ったり、腐敗臭が全体に広がる原因にもなります。

⑥ 虫喰い豆

 コーヒーベリーボーラー等の害虫によって穴が空いたり、表面に黒いしみができたりします。コーヒーベリーボーラーがコーヒーチェリーに卵を産みその幼虫が実を食べた事によって虫食い豆ができます。コーヒーの味が落ちたり悪臭の原因にもなります。

⑦ コッコ

 コッコとは、脱穀がきちんとできなかったり、果肉が付いたまま乾燥してしまった豆の事です。ヨード臭(薬品のような匂い)の様な匂いがします。

⑧ パーチメント

 パーチメントとは、脱穀ができずに内果皮が残ってしまっている豆です。渋みえぐ味の原因になります。

⑨ 死豆

 実が正常に実らなかった白っぽい豆の事です。風味がなく異臭の原因になります。

 

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ハンドピックの方法

 黒っぽいトレイに生豆を重ならないように平らに広げます。下地が黒っぽい方が欠点豆の見つけやすいです。バットに黒い紙を敷くのも良いでしょう。

 一気に全体を見ようとしたら集中できずに見落としが多くなる可能性があります。少量のブロックに分けた方が、集中力が維持できて疲れにくくなります。

 欠点豆を見分けながら生豆の大きさも一緒に揃えていきましょう。大きすぎる豆や小さすぎる豆は、煎りムラの原因になります。

 ハンドピックをやっているとこれは欠点豆になるのかなと迷う豆も出てくると思います。その時は美味しいコーヒーが作れると思って欠点豆にしましょう。

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コーヒー生豆の洗浄 

 コーヒー生豆は、けっこう汚れています。洗うことによって生豆の表面の埃や薄皮等を取り除くことができます。焙煎時のチャフ(薄皮)が出にくくなり焙煎後の掃除が楽になります。ではコーヒー生豆の洗浄の手順を紹介していきます。
➀ボウルにぬるま湯を張る。
➁コーヒー生豆を入れて、米を研ぐように豆と豆をこすります。
③きれいなお湯に変えながら3回か4回繰り返します。
④きれいにすすいだ後は、平らに広げ一晩乾燥させて終了です。

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焙煎後のハンドピック

 焙煎をした後もハンドピックをした方が良いでしょう。焙煎した後はコーヒー豆が少しふっくらと大きくなっているので、欠け豆や死豆等は見つけやすくなると思います。深く焼きすぎて濃い色をした豆や逆に火の通りが悪くて色が薄い豆は、味のバラツキの原因になる煎りムラも取り除きましょう。

 

まとめ

 コーヒーの味に悪影響を及ぼす欠点豆や異物。これはグレードの低い生豆だったり、ナチュラルと呼ばれる精製方法だと欠点豆が多くだいたい40%前後、ウォッシュドと呼ばれる精製方法でもだいたい20%前後、含まれています。40%も入っていたら、もったいないじゃんと思うかもしれませんね。でも美味しいコーヒーが作ろうと思えば、欠点豆を取り除いた方が良いです。グレードの高い生豆を購入すれば欠点豆が少なくないので、ハンドピックの作業も楽になります。

 ハンドピックの方法を記事にしてみました。こだわりを一つ増やすという意味でハンドピックにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

 

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自宅で出来る手網焙煎

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 普段、私たちが目にしているインスタントコーヒーや店頭に並んでいるコーヒーは焙煎した後のコーヒーになります。コーヒー専用の焙煎機を使って1kgや20kgのコーヒーを焼いています。本格的にコーヒーの焙煎を自宅でやろうとすると高価な焙煎機を購入したり、煙突を付けたりと設備投資をしなければなりません。しかし手網焙煎だと少量ですが少し手間を加えるだけでおいしいコーヒーを作る事ができます。私がいつもやっている手網焙煎の手順を紹介していきます。

 

目 次

 

① 手網焙煎に必要なもの

①手網

②コーヒー生豆 100g

③うちわor扇風機

④軍手

⑤ザル

⑥コンロ

 この中であえて購入するものは手網とコーヒー生豆ですかね。手網はホームセンター等で買うことができます。生豆はネット通販や自家焙煎店で「生の豆が欲しい」と言えば売ってくれるお店もあります。

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② 手網焙煎の手順

①焙煎度合いを決める。今回はシティ・ロースト。

②手網にコーヒー生豆を入れて蓋をしてクリップで蓋が開かないようにします。

 火傷をしないように軍手をはめます。

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③コンロの火力を中火にし、まずは水抜きをします。手網を火から20cm程度の高さで

 前後に素早く振っていきます。この時にコーヒー豆全体に火が通るように意識して

 10cm幅で振ります。だんだんとコーヒー生豆から水が抜け、若干コーヒー生豆が

 大きくなります。チャフ(薄皮)が剥がれ落ちて生臭い匂いがしてきます。

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④約10分ぐらい振り続けるとコーヒー生豆が少し茶色くなり、コーヒー生豆から「パ

 チパチ」と音が鳴ります。この音がハゼと言います。この最初のハゼ(1ハゼ)が鳴

 るぐらいからコーヒーとして飲める焙煎度合いですが、酸味がとても強いです。1ハ

 ゼが鳴り始めたら手網を火に10cm程度の高さまで近づけていきます。1ハゼが激し

 く鳴り続け約2分ぐらいで止まります。この時点でミディアム・ロースト。

 

⑤更に手網を振り続けます。水分が完全に抜けているので軽くなっていると思います。

 少し経つと今度は1ハゼよりも高い音で「ピチピチ」と2ハゼが鳴り始めます。この

 時点でシティ・ローストの焙煎度合いになっているかと思うので、手網を火から外し

 蓋を開けてコーヒー豆の色を確認します。

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⑥ちょうど良い具合に焙煎ができたら、コーヒー豆をザルに移してうちわか扇風機で冷

 ましていきます。余熱で焙煎が進むのでザルを振りながら素早く冷まします。

 

⑦冷却が終了したら、コーヒー豆の状態を確認します。焼きすぎて黒くなりすぎている

 豆や逆にうまく熱が加えられずに焼き色が薄くなっている豆、欠点豆を取り除きま

 す。更に2、3個の豆を割って芯まで焙煎されているかも確認をして、手網焙煎は終

 了です。

 

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③ まとめ

 手網焙煎の方法を紹介してきました。初めはうまく手網を前後に振ることが難しい、腕が疲れて手網が下がってしまうこともあります。腕が疲れたら左右を交互に変えても問題はありません。そしてコンロの前で手網を振り続けるので暑さもあり辛いとは思います。でも回数を重ねていくとすぐに慣れていきます。

 シティ・ローストの焙煎度合いだと約12分ぐらいかかります。何といっても自家焙煎は自分の好みのコーヒーができるのが醍醐味なんですね。浅煎りにしてアメリカンコーヒーにしてみたり、深煎りにして苦みが強いコーヒーにしてみたりと自分で調整する楽しさがあります。何度がチャレンジをして自分好みのコーヒーを作るのも良いかと思います。 

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④ 焙煎直後のコーヒーは新鮮でおいしの?

 焙煎をしたコーヒーには炭酸ガスが含まれています。このガスは時間の経過とともに空気中に放出されていきます。

 焙煎してから時間が経った古いコーヒー豆をドリップすると1湯目でうまく膨らまず蒸らしできなくて美味しいコーヒーが抽出できないことがあります。あれはガスが抜けてしまっているからです。ガスが多く含まれているとドリップ時の1湯目で良く膨らみ十分な蒸らしができるのです。これは新鮮なコーヒーということになります。

 なら焙煎直後のコーヒーは美味しいのかと思うかもしれません。焙煎直後はコーヒー豆から多くのガスを放出している為、味が安定していません。軽いコーヒーの感じがします。美味しいことは美味しいです。焙煎をしてから1日か2日寝かしておいたほうが、味が安定しコクと深みが出てきます。

 焙煎直後のコーヒーをドリップすると1湯目で面白いように膨らみます。お湯の注ぎ方が急にうまくなったような気がします。ぜひ試してみてください。

⑤ 最後に

 焙煎が終わった後のコンロには、たくさんのチャフ(薄皮)散乱しています。ちょっと掃除が大変ですが、チャフ(薄皮)が残っている状態でコンロに火をつけると家事の原因になるので、できるだけ残さないようにしましょう。コンロの周りにアルミ箔を敷いておくと掃除が楽になります。

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