インドネシアのコーヒー

インドネシアは世界第4位(2018年)のコーヒー生産量を誇っています。第4位と言われてもあまりピンとこないかもしれません。マンデリンと聞けば馴染みのあるコーヒーだと思います。マンデリンは、インドネシア産のコーヒーなんですね。他にカロシトラジャやコピルクアなどがあります。インドネシア産のコーヒーのほとんどがロブスタ種を栽培しているので、インスタントコーヒーや缶コーヒーに良く使われています。
 

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インドネシアってどんな国?

面積  約1919440㎢
首都  ジャカルタ首都特別州
人口  約2億6600万人
 
 インドネシアは、東南アジア南部に位置し、東西に長く14000を超える非常に多くの島々からできている国です。神々の住む島として有名なジャワ島もインドネシアです。赤道直下にある熱帯性気候ですので、とても暑い南国であります。
 人口もとても多く中国、インド、アメリカに次いで世界第4位なんですね。コーヒーの生産量でも世界第4位!
 赤道を跨いでいるインドネシアは、高山地帯など一部を除いて、年中熱帯気候です。国民はみんな陽気でのんびりしていて、常にリラックスしている感じです。楽観的な民族でもあります。そして「世界一怒らない国」ともいわれるインドネシア。理不尽なことがあっても人前では、めったに声を荒らげたりしないとても寛容な人達ばかりなのです。因みに、第1位がインドネシア、第2位がフィンランド、第3位が日本だそうです。
 大地震被災国として日本とインドネシアは連携と協力を行っています。2004年のスマトラ沖地震で甚大な被害を被ったインドネシアに対して、日本は物資の供与や無償資金協力、医療チーム派遣、自衛隊派遣など幅広く
支援活動をしてきました。被災地のアチェ州の人々は、そうした日本の支援に対して深い感謝の抱いていました。東日本大地震の発生に際して、インドネシアでは、政府だけではなく、インドネシア国民から日本に対するお見舞いが寄せられました。東日本大地震直後にアチェで追悼行事「アチェから日本のために」が開催され,日本復興への祈りが捧げられました。他に日本に滞在するインドネシア留学生やスマトラ沖地震被災者らが宮城県石巻市を訪問し,避難所の清掃や料理の提供など支援活動を行いました。来日したユドヨノ大統領は、遠洋漁業を通してインドネシアと縁の深い同県気仙沼市を訪れ,アチェの子どもたちから日本の子どもたちへの励ましのメッセージを伝え,民族楽器等を手渡しました。また、EPAに基づき来日しているインドネシア人の看護師及び介護福祉士(候補者を含む。)たちが災害ボランティアチームとして被災地で活動するなど,インドネシアの人々は真心を持って日本の復興を応援しています。同じ地震津波被災国としても強く連帯する日本とインドネシアは政治、経済だけでなく協力関係を築いています。
 

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インドネシアのコーヒー栽培

 インドネシアでは、オランダの植民地時代にコーヒーが持ち込まれ、1830年代にジャワ島で栽培が始まったとされています。
 現在では、ロブスタ種が約90%栽培されています。これは、アラビカ種を生産していたが1860年代にアジア地域に広がったサビ病の被害により、生産が大幅に減少しました。そこで病害に強いロブスタ種を導入したことによってコーヒーの生産量を回復させ、さらに拡大もしていきました。今でも生産されているアラビカ種に「マンデリン」や「トラジャ」などが栽培をしています。
 
火山によってもたらされた豊かで、一年中一定の湿度を保てる土壌はコーヒーの栽培に適しています。そして、標高1000m以上の高地では昼と夜の寒暖の差が大きく品質の良いコーヒーが育つため、栽培も盛んです。スマトラ島が国内のコーヒー生産量の75%ほどを占めています。
 
 インドネシアでは精製加工をする際にスマトラ式の加工法を用いています。スマトラ式とは、インドネシアでは雨が多いため乾燥に時間がかからないようにしたり、また水が貴重な資源であるというインドネシアだからこそ生まれた加工法で、工程はパルプドナチュラルに近いものがあります。果肉除去の後、ミューシレージ(.粘質)が残った状態で一時的に乾燥をして、十分に乾ききる前に脱穀します。次に最後の乾燥を行う方法です。生豆は独特な深緑色に仕上がります。
 

インドネシア産のコーヒーの種類

①マンデリン
 スマトラ島で栽培されている、酸味が少なく苦みとコクがあるのが特徴です。
 マンデリンの産地には、世界で最も深い湖である「トバ湖」がありますが、この周辺で栽培されたコーヒーはさらに特別で「マンデリン・トバコ」と呼ばれています。
 マンデリンコーヒーはその苦みが特徴的であり、カフェオレにもよく合います。苦いのが少し苦手な人は、マンデリンで作ったカフェオレして飲むのも良いかもしれません。
 マンデリンのグレードの決め方は、300gの中に欠点豆の数によって5段階に分けられます。欠点豆の数が3個以下であれば「G1」となり、日本では多くみられるグレードです。
 
②トラジャコーヒー
 スラウェシ島の標高1200mの山岳地帯て栽培をしているコーヒーです。昼夜の温度差が15度以上あり、年間降水量が3000㎜で平均気温が20〜23度なのて、コーヒーを栽培する最適な環境です。
 植民地時代にはオランダ王室御用達としてオランダの貴族にも親しまれていました。
 第二次世界大戦後、荒れ果てた農地でトラジャの栽培ができないと思われていましたが、日本のキーコーヒー(株)の援助で見事に復活しました。
 酸味や苦味、甘味がバランスよくあり、マンデリン同様にコクもしっかりあるのでの見応えがあります。
 
「世界一高級」と言われている「コピ・ルアク」その独特な採取法が有名なコーヒーです。
 コピ・ルクアはまず熟したコーヒーチェリーを ジャコウネコが餌として食べているのですが、実の部分は消化されるのですが 豆は消化されずに排泄されます。 それを集めてきれいに洗浄したものがコピ・ルアクと呼ばれます。
 ジャコウネコは良質なコーヒーの実だけを判別して食べ、食べた実を腸内で発酵させるので、美味しいコーヒーができあがるというわけです。
 日本では100gで8,000円くらいで、喫茶店などではだいたい1杯3000円前後です。
インドネシアでは2,000円~3,000円程度、もしくはそれ以下でも買うことができます。
 

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インドネシアのカフェ

ジャカルタをはじめとする都市ではカフェブームが起きています。オシャレな店舗で美味しいコーヒーを飲めるカフェが増えてきているので、国内でのコーヒー豆の消費も増えています。
 インドネシアでは、コーヒーの粉を直接カップに入れてお湯を注ぎ、しっかりとかき混ぜます。かき混ぜてすぐに飲んでしまうと粉も一緒に飲んでしまうので、かき混ぜて後、少し時間を置いて上澄みだけを飲みます。コーヒーを味をストレートに楽しむ事ができます。
 

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