日本のコーヒー文化

 日本人が好きな飲みモノの一つがコーヒーですよね。日本のコーヒー消費量は世界第4位とも言われており、駅前や商店街などにはコーヒーショップや喫茶店が数多くあります。日本人の生活になくてはならない物になりました。

 

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 コーヒーが日本国内に初めて入ってきたのは、江戸時代の1640年代からだと言われています。長崎の出島においてオランダ人に振舞われたことが最初であると考えれています。当時の日本人の味覚にあわず、受け入れられなかったそうです。その後、黒船来航共に西洋文化が入り、長崎、函館、横浜などの開港地を中心として西洋料理店が開店するようになり、そのメニューの一部としてコーヒーが一般庶民の目に触れるようになりました。とは言っても上級階級の一部が飲むことができる高級な飲み物でした。

 1866年(慶応2年)に輸入関税が決定され、正式にコーヒーが輸入された1877年(明治10年)頃から輸入量が増えていき、コーヒーを商品として取り扱う義版が出来上がりました。1888年(明治11年)に日本で初めてできたカフェは東京の上野にあった「可否茶館」と言われており、開店した4月13日は喫茶の日とされています。

 明治時代から大商時代にかけて、文士や文学青年だちの社交場的なサロンの役割を果たすカフェがいくつか増えてきました。しかし、いずれもまだまだ一般の人には敷居が高い店ばかりでした。そんな中でも「カフェ・パウリスタ」は、ブラジル政府より一手宣伝販売権を受けて、コーヒーの普及とサービスを徹底し、一般の人々でも気軽に立ち寄れる値段と雰囲気の店を開店しました。大正時代には全国に店舗を広げていきました。

 昭和に入り第二次世界大戦でコーヒーは輸入停止になり、人々の生活からコーヒーは一時的になくなりました。そして戦後の昭和25年から輸入がようやく再開しました。戦後の混乱が続く中、日本の復興に合わせて洋食屋や喫茶店などが営業を始めて、一般市民がコーヒーを飲めるようになりました。

 昭和後半のバブルの頃になると、人々は忙しい時間の中、空いた時間を効率よく活用しようと「ドトール・コーヒー」のようなセルフサービスのカフェを利用する人が増えてきました。また、1970年頃に名古屋で漫画喫茶が誕生し全国に広まり、1990年代にはシアトル系カフェが流行しました。こうした歴史があり、日本は世界有数のコーヒー消費国となり、アメリカ、ドイツ、イタリアに次いで世界第4位の消費国になったのです。

 

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日本の独自のコーヒー文化

 近年は日本でもコーヒーの関心が高まり、カフェだけでなくコンビニでもドリップコーヒーが買えるようになりました。各国の生活文化に違いがあるように日本でも海外とは少し違うコーヒー文化があります。日本のコーヒー文化とその特徴についてみていきたいと思います。

 

缶コーヒーの発祥は日本!

 日本では自動販売機やコンビニで缶コーヒーが必ず売られていますが、アメリカやヨーロッパではあまり缶コーヒーは見かけません。缶コーヒーは、日本独自のコーヒー文化の一つになりました。

 1965年に世界初の缶コーヒーは日本で発売されました。島根県コーヒー店を運営していた三浦義武さんが作り出したと言われています。品名は「ミラコーヒー」。三浦義武さんが缶コーヒーを開発してきっかけは、ヨーロッパの人にもお店で淹れた美味しいコーヒーを味わってもらいたいという思いだそうです。今は、製造されていないのですが、世界初のコーヒーが個人商店で開発されていたことは、素晴らしいことですね。

 現在でも製造されている缶コーヒーの最長寿ブランドは、1969年にミルク入りの缶コーヒーを最初に発売したUCC上島珈琲の「UCCコーヒーミルク入り」です。もうお馴染みですね。

 

アイスコーヒー

 アイスコーヒーも日本特有のコーヒー文化です。近年では、スターバックスをはじめとしたシアトル系のコーヒーチェーンが世界に展開し、フラペチーノなどの冷たいコーヒーが日常でも目にすることが増えてきました。一昔前は、海外ではコーヒーはホットの飲み物という認識があったのでアイスコーヒーはほとんど日本だけで飲まれていたようです。

 日本でアイスコーヒーが喫茶店のメニューに登場し始めたのが大正時代。当時は「冷やしコーヒー」と呼ばれていました。瓶にコーヒーを入れて、そのまま瓶ごと氷に入れて冷たくしていたそうです。関西では、アイスコーヒーの事を「冷コー」と呼ばれていることもあるらしいのですが、「冷やしコーヒー」の略なんですね。

 

ドリップコーヒー

 日本では、喫茶店やカフェで淹れるコーヒーはドリップが主流となっていますね。家庭ではドリップコーヒーだけでなく手軽なインスタントコーヒーが飲まれています。これも日本のコーヒー文化です。

 ヨーロッパでは、ドリップ式のコーヒーよりエスプレッソを良く飲まれています。多くの家庭でエスプレッソマシン置いてあったりします。

 日本でも近年はエスプレッソを飲む日本の方が増えています。それもブラックで飲む方がいます。海外の方からはエスプレッソを飲むことに驚いているようで、ヨーロッパではエスプレッソに砂糖を入れて飲むのが主流になっています。飲み終わった後に溶け残った砂糖を食べる人もいるようです。

 ちなみに日本のドリップコーヒーは、外国の方から人気があります。海外からの観光客は喫茶店入りハンドドリップやサイフォンなどのコーヒー器具の写真を撮ったりしているそうです。

 

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まとめ

 エスプレッソコーヒーが主流の文化だったり、ドリップコーヒーが主流の文化だったりといろいろな国で様々なコーヒー文化があります。日本でも時代とともに特有のコーヒー文化が発展してきました。今では、家庭やコンビニでも本格コーヒーが飲める時代になってきました。さらに缶コーヒーの普及。日本の憩いの場にコーヒーは欠かせない飲み物になっていいるように感じます。